私たちが暮らす尾道は、風光明媚な景観を有し、豊かな歴史に彩られた誇れるまちです。この地に育まれた文化や伝統は、先人たちの手により長い年月をかけて築き上げられてきました。現代では、その魅力に心を惹かれ、国内外から多くの人々が訪れるまちへと発展を遂げています。
それでは、私たちのまちが多くの人の心を魅了する所以とは何でしょうか。
それは、いつの時代も尾道を愛し守り続けてきた人々の心であり、その心が今日の尾道を象る最大の魅力であると私は思います。先人たちが守り育んできた心を受け継ぎ、未来へと繋ぐことこそが私たちの使命です。
尾道青年会議所においても同様であり、創立以来多くの青年有志が未来を見据え切磋琢磨し、まちとそこに住まう人々を想い社会開発運動を展開してきました。その功績が尾道青年会議所を今日まで支え、現在の組織を確立させています。私たちは、先輩諸兄が連綿と育んできた土壌の上で、運動を展開できることに感謝を忘れてはなりません。先輩諸兄の情熱と弛まぬ努力によって築かれた、尾道青年会議所の心を全員で分かち合い、誇りと強い意志をもって運動を展開してまいります。
そして、私たちは受け継いだ心を後世へと伝えていかなくてはなりません。そのために、今まで以上に私たちが住まうまちに対しての知見を深め、地域の特性を理解した中で運動を興すことが、尾道の未来を描くための第一歩と考えます。そのためには、「私たちが興す運動に、より多くの賛同を得ること」と「共に運動を興してくれるパートナーの存在」は必要不可欠であると考えます。「市民、行政、企業」など様々な分野と手を取り合い、多角的な視点から尾道の未来を考え、私たちが先導役を担い更なる魅力に溢れた尾道の創造へと繋げてまいりましょう。
本年度、尾道青年会議所は10年ぶりに広島ブロック大会を主管いたします。県内12LOMの青年会議所会員が尾道に集い、広島県の未来に想いを寄せる一日であると同時に、尾道の魅力を最大限に発信できる絶好の機会となります。主管させていただく以上は、大会の意義や本質を理解した中で県内各地の会員会議所を迎えることが大切です。尾道青年会議所の力を最大限に発揮し、地域間交流を促進させ、魅力ある広島の創造の糧となるよう、そして大会へ参加された人々のために「おもてなしの心」をもって準備を進め、生涯忘れることのない時間を提供してまいりましょう。
様々な社会問題が後を絶えない現代社会において、多くの人が未来に不安を抱く状況下に立たされているといっても過言ではありません。未来は誰もが描くことができ、多くの希望と輝きに満ち溢れるものであるべきと考えます。多くの人々が自身の未来や、自らが暮らすまちの未来に希望や理想を見出し、人々の活力によって魅力溢れる尾道の創造へと繋げていきましょう。それと同時に、私たちの活動を広域的に発信していくことも重要となります。技術革新が進み情報の収集や発信がより身近になっている中で、私たちはまだその力を活用することが出来ていません。まだまだ、青年会議所がどのような団体で何を目的にしているのかということを知らない人も多くいます。一人でも多くの人に私たちの運動に理解と共感を得ていくためには、より戦略的に情報を発信し続けていく必要があると考えます。青年会議所が辿って来た軌跡も含め、その魅力を広域的に発信し、私たちの活動に一人でも多くの人から理解と賛同を得ていくための環境を自らの手で整え繋いでいきましょう。
私たちのまちに残された伝統文化は、まちが歩んできた歴史であり、先人たちの情熱と弛まぬ行動力によって築き上げられた努力の結晶です。そして先人より受け継いだ財産と魅力を次世代へと繋いでいくために、今一度私たちは、まちの成り立ちを知り、その文化や風土により一層触れて学び、受け継いだ財産を育むことで歴史を紡いでいきましょう。地震大国と呼ばれる日本において、毎年全国各地で災害が発生し多くの人々に不安を与えています。この不安を取り払うためには、災害対策だけでなく、一人一人の災害に対する心構えや知識と備えが重要となります。防災の本質は「命を守る」ことであり、市民の防災意識の向上を図ることで、有事の際に一人でも多くの命を守れる人財育成の強化と、誰もが安心できるまちづくりの実現に向け、更なる地域間の連携強化を推進してまいります。
次代を担う子どもたちは、まちの宝であり、これからの尾道の未来を作り出す原動力となります。だからこそ、子どもたちには自身の未来を切り開いていけるよう強く逞しい成長を遂げてほしいと願います。そのためには、「高い理想」や「大きな志」を持つことも大切ではありますが、様々な人との出会いを大切にし、「人を思いやる心」を育み養うことが、子どもたちの成長を促進させ、その未来をより明るいものへと昇華させるのではないでしょうか。そのためには仲間の存在は必要不可欠であり、仲間と共に切磋琢磨する過程で得た経験こそが今後の人生を豊かにする財産になると私は信じます。私たちだからこそ伝えることができることを模索し、強く逞しい次代を担う人財の育成に努めてまいりましょう。
私たちはより多くの人に賛同を得た中で運動を展開していく必要があり、活気に満ち溢れた組織へと成長し、魅力ある組織づくりをしていかなければなりません。組織の力を高めていくためには、私たち一人ひとりの成長は必要不可欠であり、地域の発展を担う青年経済人として、JAYCEEとして、自己研鑽に励まなければならないと強く感じます。しかし、ここでの成長は決して利己的なものであってはなりません。自身が経験する中で得た糧を分かち合う心を持ち、会員同士が切磋琢磨し互いに高めあうことで、誰もが成長できる魅力ある組織づくりを目指したいと思います。自身の成長を組織の成長へと繋げ、活気あふれる尾道の創造へと繋げていきましょう。そして私たちは、一人でも多くの新たな仲間を得ることを忘れてはなりません。会員数の減少は、活動の推進力に大きな影響を与えることに繋がります。先輩諸兄より受け継いだ組織を次世代に繋ぎ、尾道の発展に寄与した運動を興していくためにも会員拡大は急務であり、決して人任せであってはなりません。本年度は、今まで以上に一人ひとりが自身の組織に誇りと責任を持ち、新たな仲間を得るために尽力し、会員一丸となって行動を興していきましょう。
私たちは、自身を取り巻く環境が決して当たり前のものではないということを忘れてはなりません。
全ての物事は、人の手によって生み出され、そこには多くの人の想いや願いが込められています。
だからこそ、私たちは常に周囲への配慮を怠ることなく、感謝と敬意の心をもち、私たちがやるべきこと、求められていることを共に模索し、全員で行動を興していきましょう。
先人たちより託された素晴らしい財産に新たな魅力と価値を生み出し、誇りと強い意志をもって私たちだからこそできることを次世代へと繋いでいくことこそが、尾道の未来を切り拓いていくと信じます。